○丸森町再生可能エネルギー発電設備の設置の規制に関する条例
令和3年12月17日
条例第22号
丸森町環境と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例(令和2年丸森町条例第3号)の全部を改正する。
(目的)
第1条 この条例は、再生可能エネルギー発電設備の設置が防災並びに自然環境、生活環境及び景観に及ぼす影響に鑑み、その設置の規制に関して必要な事項を定めることにより、災害の発生を防止するとともに、豊かな自然環境及び良好な生活環境を保全することを目的とする。
(1) 再生可能エネルギー 非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして規則で定めるものをいう。
(2) 再生可能エネルギー発電設備 再生可能エネルギーを電気に変換する設備及びその附属設備(送電に係る電柱等を除く。)をいう。
(3) 事業 再生可能エネルギー発電設備を設置する事業(立木の伐採、掘削、盛土その他土地の形状の変更を伴う工事及びその事業を目的とした土地に関する権利の移転等を含む。)をいう。
(4) 事業者 事業を計画し、これを実施する者をいう。ただし、国及び地方公共団体を除く。
(5) 事業区域 事業を行う一団の土地(再生可能エネルギー発電設備に附属する管理施設、変電施設、緩衝帯等に係る土地を含む。)の区域であって、柵、塀等の工作物の設置その他の方法により当該一団の土地以外の土地と区別された区域をいう。
(6) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。
(7) 近隣関係者 事業区域の境界から100メートル以内の区域に土地又は建物を所有する者及び当該事業によりその所有する土地又は建物について、これらの者と同程度の影響を受けると認められる者をいう。
(8) 行政区 丸森町行政区に関する規則(令和2年丸森町規則第3号)別表に規定する区画をいう。
(9) 地域 事業区域を含む行政区及び事業の影響を受けると認められる行政区をいう。
(10) 住民等 地域内に居住する者、近隣関係者及び所在する法人その他の団体をいう。
(11) 土地所有者等 事業区域の土地の所有者、占有者及び管理者をいう。
(12) 発電事業 再生可能エネルギー発電設備を用いて発電を行う事業をいう。
(町の責務)
第3条 町は、第1条の目的を達成するため、この条例の適切かつ円滑な運用を図らなければならない。
(町民の責務)
第4条 町民は、第1条の目的を達成するため、町の施策及びこの条例に定める手続の実施に協力するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、関係法令及びこの条例を遵守し、第1条の目的を達成するために必要な措置を講じるとともに、住民等との良好な関係を保つよう努めなければならない。
2 事業者は、再生可能エネルギー発電設備及び事業区域を適正に管理しなければならない。
3 事業者は、事業を廃止し、又は当該事業により設置された再生可能エネルギー発電設備を用いて実施する事業が終了したときは、当該設備の速やかな撤去及び適正な処分をし、原状回復措置を講じなければならない。
(土地所有者等の責務)
第6条 土地所有者等は、第1条の目的に反するおそれのある事業を行う事業者に対して、当該土地を使用させることのないよう努めなければならない。
2 土地所有者等は、事業により、自然環境若しくは景観を損ない、又は災害若しくは生活環境への被害等が発生することのないよう、事業者に対し、当該土地を適正に管理するよう求めなければならない。
(適用を受ける事業)
第7条 この条例の規定は、再生可能エネルギー発電設備の出力の合計(以下「発電出力」という。)が10キロワット以上(既に設置された再生可能エネルギー発電設備を増設することにより、発電出力が10キロワット以上となる事業を含む。)の事業に適用する。ただし、太陽光をエネルギー源として発電設備を設置する事業で、次に掲げるものについては、この限りでない。
(1) 建築物の屋根又は屋上に設置する事業
(禁止区域)
第8条 町長は、土砂災害その他の災害が発生するおそれが極めて高いと認められる次に掲げる区域を禁止区域に指定する。
(1) 急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)第3条第1項の急傾斜地崩壊危険区域
(2) 地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)第3条第1項の地すべり防止区域
(3) 砂防法(明治30年法律第29号)第2条の砂防指定地
(4) 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)第7条第1項の土砂災害警戒区域及び第9条第1項の土砂災害特別警戒区域
(5) 森林法(昭和26年法律第249号)第25条第1項の保安林
(6) 河川法(昭和39年法律第167号)第6条第1項の河川区域及び第54条第1項の河川保全区域
2 事業者は、禁止区域を事業区域に含めてはならない。
(抑制区域)
第9条 町長は、災害の防止又は良好な自然環境、景観、歴史的・文化的価値、森林若しくは農地等の保全のために配慮が必要と認められる次に掲げる区域を抑制区域に指定する。
(1) 農業振興地域の整備に関する法律(昭和44年法律第58号)第8条第2項第1号の農業振興地域内の農用地区域
(2) 森林法第5条第2項第1号の地域森林計画の区域
(3) 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号)第28条第1項の鳥獣保護区
(4) 自然公園法(昭和32年法律第161号)第2条第4号の県立自然公園
(5) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第92条第1項の埋蔵文化財及び第109条第1項の史跡名勝天然記念物の所在する区域
2 事業者は、抑制区域を事業区域に含めないよう努めなければならない。
2 事業者は、前項の規定により協議した事項を変更しようとするときは、速やかにその旨を町長に届け出て協議しなければならない。
(住民等への説明等)
第11条 事業者は、事業を実施しようとするときは、前条第1項の規定による協議を行う前に、住民等に対し、事業の内容等に関する説明会を開催しなければならない。ただし、発電出力が200キロワット未満の事業に限り、町長が説明会を開催することが困難であると認めるときは、戸別訪問その他適当な方法をもって住民等に事業の内容等を周知することにより、説明会の開催に代えることができる。
2 事業者は、前条第2項の規定による変更の協議を行う前に、住民等に対し、事業内容等の変更に関する説明会を開催しなければならない。ただし、事業内容等の変更が規則で定める軽微なものについては、この限りでない。
4 住民等は、第1項の規定による説明会を開催した事業者に対し、事業の内容等について意見を申し出ることができる。
5 前項の規定による意見の申出があったときは、当該事業者は、当該意見に対する見解を記載した書面を作成し、当該意見を申し出た住民等にこれを交付の上、誠意をもって協議しなければならない。
6 地域は、事業の実施に当たり、第1条の目的を達成するために必要な事項について、事業者に協定の締結を求めることができる。ただし、発電出力が200キロワット未満の事業の場合は、この限りでない。
7 事業者は、前項の協定の締結を当該地域から求められたときは、協定を締結し、速やかに当該書面の写しを町長に提出しなければならない。
(同意)
第12条 事業者は、町内において事業を実施しようとするとき、又は町内において実施している事業を変更しようとするときは、町長の同意を得なければならない。
3 前項ただし書の規定により、禁止区域又は抑制区域内において再生可能エネルギー発電設備を設置しようとする者は、各種法律に基づき許認可、承認等を得るとともに、本条例の規定を遵守するよう努めなければならない。
(審査及び協議結果の通知)
第13条 町長は、第10条に規定する届出があった場合は、審査を実施し、必要に応じて、規則で定める再生可能エネルギー発電設備設置協議会の意見を聴取することができる。
2 町長は、協議が終了したときは、事業者に協議結果を通知するものとする。
3 町長は、必要に応じて、前項の通知に自然環境若しくは景観の維持又は災害若しくは生活環境への被害等の発生の防止のために必要な条件を付すことができる。
4 事業者は、前項に規定する条件について、必要な措置を講じ、その結果を町長に届け出なければならない。
(事業の着手等の届出)
第14条 事業者は、事業に着手し、完了し、中止し、又は再開したときは、速やかにその旨を町長に届け出なければならない。
(事業の確認)
第15条 町長は、前条に規定する完了の届出があったときは、この条例の施行に必要な限度において、事業者に対して資料の提出を求め、職員に事業区域に立ち入らせて確認するものとする。
(地位の承継)
第16条 事業者から相続、売買、合併又は分割によりその地位を承継した者は、承継の日から30日以内に、規則で定めるところにより、その旨を町長に届け出なければならない。
(事業区域の適正管理)
第17条 事業者は、事業及び発電事業を実施している間、自然環境及び生活環境への被害又は災害が発生しないよう事業区域を適正に管理するとともに、発電事業に係る保守点検及び維持管理の実施について年1回町長に報告しなければならない。
(災害及び事故発生時の対応)
第18条 事業者は、事業区域内における災害及び当該災害に起因する自然環境及び生活環境への被害が発生するおそれがあると認められるときは、速やかに現地を確認し、早急に必要な措置を講じるとともに、地域住民等に周知し、町長に通報しなければならない。
3 事業者は、事業の実施に伴い事故等が発生したとき又は住民等と紛争が生じたときは、自己の責任において誠意をもってこれを解決し、再発防止のための措置を講じなければならない。
(発電事業終了の届出)
第19条 事業者は、発電事業を終了したときは、規則で定めるところにより、速やかに町長に届け出なければならない。
(発電事業終了後の適正処理)
第20条 事業者は、発電事業を終了したときは、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(平成12年法律第104号)その他の関係法令に基づき、再生可能エネルギー発電設備その他当該事業に用いた設備等を速やかに撤去し、適正に処理しなければならない。
2 事業者又は土地所有者等は、発電事業終了後に残された施設について、災害又は生活環境への被害等が発生することのないよう適正に管理するとともに、当該事業区域を原状に回復する措置を講じなければならない。
3 事業者は、発電事業終了後に前2項に規定する対策を速やかに講じるため、必要な資金の確保に努めなければならない。
(報告及び立入調査)
第21条 町長は、この条例の施行に必要な限度において、事業者に対し報告及び資料の提出を求めるとともに、職員に事業区域への立入り及び当該事業に関する事項の調査をさせるものとする。
2 前項の規定による立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入り及び調査の権限は、これを犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(助言、指導又は勧告)
第22条 町長は、必要があると認めるときは、事業者に対して、必要な措置を講じるよう助言又は指導を行うことができる。
2 町長は、事業者が次の各号のいずれかに該当すると認められるときは、当該事業者に対し、期限を定めて必要な措置を講じるよう勧告することができる。
(1) 第10条の規定による協議をしない、又は虚偽の協議をしたとき。
(2) 第12条第1項の規定による同意を得ずに事業に着手したとき。
(3) 前条第1項の規定による報告又は資料の提示をしないとき。
(4) 虚偽の報告又は資料の提出をしたとき。
(5) 立入調査を拒み、妨げ、又は忌避したとき。
(6) 質問に答弁せず、又は虚偽の答弁をしたとき。
(7) 事業が自然環境及び生活環境に重大な影響を与えるおそれがあると認められるとき。
(8) 正当な理由がなく前項の規定による助言又は指導に従わないとき。
(9) 第13条第3項の規定により付された条件に従わないとき。
(公表)
第23条 町長は、前条第2項の規定による勧告を受けた事業者が、正当な理由なく当該勧告に従わないときは、当該勧告の事業者の氏名及び住所並びに当該勧告の内容を公表することができる。
2 町長は、前項の規定により公表しようとするときは、あらかじめ当該事業者に弁明の機会を与えなければならない。
(国及び県への報告)
第24条 町長は、前条第1項の規定による公表後、公表内容及び公表の事実を国及び県に報告することができる。
(委任)
第25条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、令和4年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例による改正後の丸森町再生可能エネルギー発電設備の設置の規制に関する条例(以下「新条例」という。)の規定は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後に新条例第10条に規定する協議の届出を行うものについて適用し、施行日前に改正前の丸森町環境と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例第9条に規定する協議の届出をしたものについては、この附則に特別の定めがあるものを除き、なお従前の例による。
3 前項の規定にかかわらず、施行日前に環境影響評価法(平成9年法律第81号)第3条の7に規定する計画段階環境配慮書に係る関係行政機関の意見聴取の手続を行っている事業については、なお従前の例による。