町長コラム「郷里に響け」
令和6年12月 「森林とともに生きる」
先日、羽出庭地区の町有林を会場に丸森町合併70周年記念「まるもり子どもの森林植樹祭」を開催した。この地区は、過去に大規模な山火事や令和元年東日本台風で土砂崩れが発生した地域であり、植樹を行う場所として重要な役割を持つほか、令和元年東日本台風災害を経験した本町の子どもたちが森林の大切な役割を学び、関心を持つ機会となることを目的に行った。当日は、丸森小学校と舘矢間小学校の6年生73名と、今後交流を深める台湾の教育局の皆さんにも参加いただいた。
植樹を行う前に宮城県の職員から、森林が水資源を蓄え、土砂崩れを防止し、そして地球温暖化防止機能を持っているという森林の働きに関して話があり、地元の方からは山火事や豪雨での災害経験の話をいただいた。森林の役割や実際の災害の話を聞き、自分の周りにも起こりうるものとして真剣な眼差しで聴き入る姿が印象的だった。
植樹作業では、子どもたちは傾斜地をものともせず縦横無尽に歩き回り、その後は、普段は手にしないのこぎりを使った丸太切り体験を行った。教室の授業では味わうことのできない経験に多くの笑顔が弾けていた。
木は植えて終わりではない。大きく育てるために多くの人の手と、数十年という長い時間を必要とする点で、子どもの成長にも似ている。子どもたちは、今回の体験を通じ多くのことを学んだはず。成長する木のごとく様々な経験という年輪を増やし、心身ともに健全に成長してほしい。